涼しくなったと思ったら、まだまだ暑さが残っていますね。
暑いとついイライラして、腹を立てる事はないでしょうか。
私はあります。絵に描いたような小物です。
20250928_094114

「怒り」というのは仏教で
三毒(むさぼり・いかり・おろか)という、
苦しみの根本原因の一つに挙げられています。

怒りによって冷静さを失うと判断を誤り、
破滅的な結果になる事もあります。
また心身を消耗させ、病気の原因となり、寿命を縮めるでしょう。

そして怒りは争いを連鎖させます。
怒ってばかりいる人は、周囲から批判的な視線を
潜在的に受けているものです。
そうして溜まった反感はまた火を吹いて争いになりますから、
怒りっぽい人というのは、
好んで争いの火をつけて回っているようなもので、
災いを自ら呼び込み続けているのです。
「怒り」はそうした怖さを持っています。

一方でその怒りがエネルギーを生む事もあります。
一概に悪いと言い切れない面もありますよね。
人の為の力になれば良いのですが、
たいてい怒った時にやった事って、
ロクでもない結果になるパターンが多いのではないでしょうか。

「キツく言い過ぎた」とか、
「何であんな事してしまったかな」とか。
相手も怒って、話がこじれたり。
後悔する事の方が多いのではないでしょうか。

最初からやめときゃいいんですけどね。
結局のところ、慎みを持って生きることが、
自分を守る一番の方法だと法句経には書いてあります。

同じく法句経に、こんな言葉があります。
「他人の過失は見やすいけれども、自己の過失は見がたい」
人の失敗はすぐに目につくのに、
自分の事だとなかなか見えなかったり、
気づかないフリをしてしまいますよね。

SUPER BEAVERの「人として」という曲に
「身に覚えのある失敗をどうして指差せる?」
という歌詞がありまして、心に刺さります。

「自分は正しい!」と思っているから腹を立てて相手を責めますが、
そういう自分もどこかで何かしら失敗をしているものですよね。

人の粗ばかり見て怒るのではなく、
「自分もまた失敗し、迷惑をかける存在だ」
という謙虚さと寛容さを持つこと。
それが、怒りに振り回されずに
心の豊かさを育てる道につながるのだと思います。
それが難しいから困るんですけども。

そもそも世の中、自分の思い通りになりません。
その真理を分かってないから私たちは
思い通りにならない事がある度にバカみたいに腹を立てています。

日蓮聖人は「崇峻天皇御書」の中で、短気なご信者に対して
短気ゆえの行動で身を滅ぼした崇峻天皇の例を挙げ、
「感情のまま行動する人に、守護神は力を貸さない」
と戒めています。

怒りはエネルギーにもなりますが、
多くは自分も相手も消耗させるもの。
折角のエネルギーなら心を育てる方向に使っていきたいですね。

まだまだ残暑が続きますが、着実に季節は進んでいきます。
どうぞ皆さま、涼しい心でお過ごしください。

20250928_094041

和歌山県新宮市にあるお寺 日蓮宗本廣寺