先月30日は先代住職である師父上人の命日でした。
今年は17回忌に当たりまして、
「もうそんなに年月が経ったか」と
不思議な感覚で法要をお勤めしました。

師父がどういう思いだったのかなあとか
師父から受けた恩に報いることが出来ているだろうかとか、
色々考えます。

恩という事で言いますと、先々代である祖父や、
先代の父が接してきた檀信徒の皆さんが
「おじいちゃんに助けてもらったから」
「お父さんに良くしてもらったから」
とおっしゃって、お寺を支え、
私や寺族にも良くして下さるんですよね。
その度に「未だに親に助けて貰ってるんやなあ」
という思いが起こります。

歴代さんの積んだ功徳や努力や善意の繋がりの上に今のお寺があり、私がいます。
忘れがちですが、人間というのは皆そうやって
様々な繋がりの上に生かされているものだと思います。

「いのち」とは単純に生物として生きているか
死んでいるかという事だけではなく、
人の思いや営みも含めて「いのち」で、
そうした「いのち」の流れの上にいる
我が身なのではないでしょうか。

そして私が歴代に助けられているように
今度は私が次代のお上人を助けられるように、とも思います。

亡き人への供養を通じ、生者死者問わず
色んな人の世話になっている事を再認識する。
そして我が身を省み生き方を考える。
年忌はそうした意味で大切な機会ですね。


先日の研修で葬儀や戒名の事を学んだのですが、
葬儀の説明一つ取っても、経験や知識が問われるので
自分の中に確たるものを持てるよう
研鑽を絶やさないようにしましょうねというお話でした。

我が身を省みつつ、様々な方の恩に報いる為にも
地道に精進を続けたいと思います。
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